2011年9月6日火曜日

10月例会のお知らせ

■□西洋近現代史研究会・現代史研究会10月合同例会案内□■

日時:2011年10月22日(土)14時~17時
会場:首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス会議室B
   JR秋葉原駅徒歩2分、秋葉原ダイビル12階
   http://www.tmu.ac.jp/university/campus_guide/access.html

□報告者:李東奇氏(ソウル大学平和統一研究所)
■報告タイトル:「分断ドイツにおける連合構想の成立と越境者たち」

□コメント:河合信晴氏(成蹊大学)

■企画趣旨
 冷戦体制の下で分断が固定化されたドイツ。変転する国際・国内
条件下で、どのように東西ドイツはふたたび一つになるべきか。第
二次世界大戦の敗戦後40年にわたって、このような問いに向き合い
ながら、冷戦体制を批判し乗り越えようとした、西ドイツの平和主
義的な中立主義者たちの東西ドイツ連合構想は、少数派であったも
のの一定の影響力をもち続けた。1950年代末には東ドイツ政権も彼
らを意識する形で連合構想を提案し、この動きは東西を越境するダ
イナミズムをもっていた。ベルリンの壁が崩壊して20年を過ぎた今、
この中立主義者たちの連合構想を問うことは、たんなる回顧にとど
まるものではない。冷戦体制がなお残存する東アジアにおいては、
むしろ現実的な課題として検証することが求められるであろう。発
表者は、先行研究では「第三の道」論者として言及される、こうし
た中立主義者たちの連合構想の多様性に着目するに同時に、構想の
成立過程のダイナミズムとその社会運動としての側面を浮き彫りに
し、それを東西ドイツが共有した戦後史の一断面として描きだすこ
とを目指している。
 本例会では、李東奇氏に近著第2章を中心に発表いただく。続い
て、東ドイツの政治史・社会史を専門とする河合信晴氏にコメント
を得たうえで、会場参加者との討論を予定している。

参考文献:
Dong-Ki Lee, Option oder Illusion? Die Idee einer nationalen Konfoerderation im geteilten Deutschland 1949-1990, Berlin 2010.

□掲示用チラシは以下のURLよりダウンロードしてご活用ください。
 http://kingenken.web.fc2.com/lee_22okt2011.pdf

■事前申込不要
□会議言語:日本語・ドイツ語
発表はドイツ語で行われますが、日本語仮訳原稿が配布されます。
 またコメントは日本語で、討論の際には日独逐語訳がつきます。

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11月例会は、11月26日(土)に東欧史研究会と合同で、
栗原久定さん(千葉大学)の研究発表と、南塚信吾さん・
木村真さんのお二人を迎えて、N・J・ウィルソン(南塚信吾・
木村真監訳)『歴史学の未来』(法政大学出版局、2011年)を
めぐる座談会を予定しています。